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リリークラウス・ドキュメンタリー!

2006年のいわゆる「モーツァルトイヤー」には
某大な数の書籍・音源・楽譜・研究書が発行・上梓されました。
(もちろん!1991の没後200年には、もっと大量!でしたけど)
その時に、気になっていたのに購入しなかったのがこちら

image_20130517194256.jpg
購入しなかった理由は、
1991からなんとなく続いていたモーツァルト旋風。
その前の学生時代を含めてあまりにモーツァルトずくめだった私は
かえって、彼の音楽に反抗的になってたこと(アマノジャク!笑)
それにわたしの中に棲んでいたリリークラウスという音楽家の
偶像が崩壊するのでは?ということがちょっと怖くて。
そして・・・
いわゆる「お涙頂戴バナシ」がきらいだから(すみません!すみません!)

なので、そのままずっと
記憶の奥底。能楽の世界にいう「淵となる」ような深い場所に
こっそりと沈めたまま触れずにおいた名前。
リリークラウス。
そして「彼女の」モーツァルト。

ふとしたきっかけで
某さまに「リリークラウスという方が・・・」
という「聞きかじり」の記憶をお話したときに
ひさびさに自分から彼女の名前を出し
そいへば、こんな本があったような~~。
公演も終了したし、もう読んでもいいかな~♪
程度の軽い気持ちで「古本」で購入したのは
ほんの数週間前のことです。
そしてまた、ふとした偶然から
数日前に↓のドキュメンタリー動画に出会いました。

↑のご本の著者は元N○Kのプロデューサー
本当はこれをドキュメンタリーにしたかったそうな。
実際、この一部を資料とした番組は編まれたとのこと。
作者のおっしゃるとおり↑の本は
「事実を限りなく尊重し、ドラマ化したフィクション」
なのでしょう。演出された部分もあるのでしょう。
でも、彼女の言葉とされるところに、ほとんど捏造はない!
ということを、この動画で知りました。

私が↑の本を読みながら心の中でYES!と叫んだのは
抑留施設の中で日本人兵士にレッスンする場面(←あったのです!そういうことが!)
「あなたはモーツァルトをかつらをかぶり衣装をきせたロココ人形のようにしたいのか?
 私は彼をニッカポッカをはいて馬を駆る青年としてあつかい、そのように弾くのだ」
という意味の発言をしているところ。(概要)
相手が敵国の兵士であろうと、音楽については思うところを言いきる!
(もちろん戦場ですからレッスン料などなし!レッスン後はまた拘束されるのです)
レッスンを受ける兵士も、ひたすら尊敬する芸術家として向き合ったという。その驚き。

前回エントリーの「野性的な南国の少女がピアノを弾くの図」は
実はリリークラウス本人です。一週間に1時間だけあたえられた「不格好なアプライト」
絵描きさんの観察眼の素晴らしさと、彼女が「南国的スタイル」であるからこそ!
どのように「体をつかっていたか」が一目瞭然!なんと素晴らしい!
「抑留者による絵」はもうひとつ。
抑留施設で慰安のために演奏するクラウス・ゴールドベルクデュオの絵があります。
戦前の日比谷公会堂で「最高のモーツァルト・デュオ」とされた二人。
その二人が、ジャワの抑留施設で邂逅している。その偶然。

そして、もうひとつ。
楽器も家族もそして希望も。すべて失ったかと思った彼女が
木々をわたる風と、水に映る光に「わたしのモーツァルト」を発見する場面。
彼女は、ふと思いついたフレーズを、思わず口にだしてうたいます。
つぎからつぎへ、泉のようにわきだす「知っているうた」の数々。
(音楽家である彼女の『知っている』は多岐膨大なのです。そのすべてを!)
「おんがくってなんでしょう?」
その謎が、ここにあるような気がしました。
私たちの「内なる音」は消えない。どんなことになろうとも。
なんという勇気のわく言葉でしょう。

この本の中、そしてドキュメンタリーの中で彼女の発言の数々に触れるうちに
この人なら、晩年にああおっしゃっるのも理解できるわ。。
と、前述の某様にお話したこと、あのぼんやりした記憶のカケラが
幼かったころのあこがれに満ちた光をとりもどしたような
そんな気持ちになったことでした。

さてでは、「私にとって」のお宝動画をご紹介します。
その前に、相変わらずの「申し立て」ですが。
あらゆる意味において彼女が唯一絶対である。
ということでご紹介するものではありません。
(そういうことは彼女が一番きらうことでもありましょう)
また「御手本」とか「参考に」というお話ではありません。
レッスンの一部を切り取って「まねする」というのも
あまり頂けるものではありません(と・・・私は思います)
ひとりの音楽家の生きざまとして、ご覧いただければ幸いです。

日本語字幕はありませんがインタビュー以外は「ドラマ仕立て」です。
欧州の番組ならでは!あたりまえに現地でロケしています。
なので、目でも楽しめる編成になっていると思います。
また「音楽のように」彼女の言葉を楽しんでいただける!とも思うのです。

そして。。。
字幕がないので、念のため書き添えますが。。(ヤボを承知で)
彼女を抑留したのは「日本のケンペイタイ」です。
(「ケンペイタイ」「ケイレイ」「テンコ」は覚えているのね。リリー・・・)
思いがけず聞こえてくる国歌にひどく動揺しました。。。。。

ところで、1991の「没後200年」のモ-ツァルトイヤー関連の書物にさえ
「戦前はモーツァルトを演奏する外国人演奏者のコンサートもなく。。」
という記述を(相当えらい方の・・・)発見しました。
来日芸術家の鳴り物入りコンサートですら、このようにしょせん「一夜の夢」
その場に同席した人々の心にのみ、生きるものなのでしょう。
でも、「桜咲く頃、戦前の日比谷の一夜の夢」に立ち会った若者たち。
かれらが兵士として赴任した抑留者施設の名簿の中に彼女の名前を発見したこと
それが、ひとりの芸術家の命と彼女の音楽とを救ったのです。
それもまた、襟を正すべき事実だと、この本を通して知りました。
ひとりひとりの小さな夢のカケラを拾い集めるようにして取材し、
うつくしい物語にまとめてくださった著者に心からの感謝を!
その20年にわたる取材と音楽を愛する心に敬意を表します。


では、長々ともったいぶってひっっぱりましたが(汗)
最近発見したリリークラウスのドキュメンタリーは
こちらです。




【こっそりと打ち明け話】
このご本を読んで「歌語りモーツァルト」脚本の中でのトルコマーチの扱いに、
リリーからの「YES!」をいただいた気持ちになっております(妄想です♪)
公演のあとから読んでよかった!じゃなければアマノジャクの私のことだから
「なあんだ、ここにもう書いてある。。」とがっかりしてかえって使わなかったかも♪

私信:ぶらちぇオーパさま。
   というわけで、リリーが「たくましく」なったのにはわけがあったのです。
   私がたくましくなるにも、わけがあったのですが、それはおしえない♪(うふふ)

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No title

なんだか わかったような わからんような・・・・・
ただ 思い出したのは 学生時代 下宿長屋の一室で オケ仲間がLP持ち寄って リリーとクララハスキルのMozartを 遅くまで 聴いてたこと    
青春の残り香やな~

Re: No title

ぶらちぇオーパさま♪

うわぃ。
リリーVSクララ!ありがちな戦いですや~ん♪
おっちゃんは、どちらがお好きでしたん??
(美人なほうに、決まってるがな・・・うふふ♪)
私たちの「青春」といへば
ポゴレリチだったりツィメルマンだったり。
あとはブーニン旋風ですかね~(大学に講師でいらしたりしたし~♪)

No title

ブーニンて ついこの間ですやん それが青春? ハテ ブーニンのお父さんもピアニストだったのかしらん (^^♪

さておき  齢をかさねると かなり昔のことでも つい先日のことのように思えるらしいです  うちの母でも 私と 孫の幼少の頃の思い出が区別できないようです
うちのオケの最年長びよりすと なんざ 「僕が生まれたのは あの応仁の乱の・・・・・」とか言っております

Re: No title

ぶらちぇオーパ長老さま♪

えぇブーニン氏のお父様のそのまたお父様の・・・(よぼよぼ)・・・
って、誰が戦前生まれですねんっ!(←いやそこまでは、ゆうてはらへんて。。。)

いやほんま、専攻科卒業したと同時くらいに、客員講師にお迎えしたということで
ちょっと下級生は彼と2台ピアノ経験できたりしてて、くやしかったのですって!!!

それにしても、ぶらちぇ氏もたいがい「長老様」と思っておりましたが
お生まれが「応仁の乱」! まるで京都の老舗のよう・・
京都では「いくさ」といへば応仁の乱のこと。
「あっこは戦後ですやろ、うっとこは戦前からですよって」
という時には平安から続いているかどうかという話。というのは聞いたことありますが
某シティフィルのびよら族も同じなんですねぇ。(真顔で信じる人)
シティフィル・・・おそるべし!
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音夢鈴ーねむりんー

Author:音夢鈴ーねむりんー
ねむりんチャンネルへようこそ!
なりわい:鍵盤屋
     (ぴあにすと)
生息場所:音の棲む場所 
     
基本クラシック奏者。
時として企画者。
あるときは脚本書き
たまにさすらいの吟遊詩人
気がつけば
てあそびナビゲーター?!
しかしてその実態は!!!!
・・・銀猫同居人である。

画像は御友達描くところの
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皆さまどうぞよろしゅう(ぺこり)

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