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わたしのせんせい

5月5日 タンゴの節句
ぽっかりとあいた昼下がりのひと時
まぁなんともいいお天気♪
NEC_1558.jpg

今日~明日の夕刻はスーパームーンとか
夕方までこのお天気が持ってくれればいいなぁ。
などと思いつつ、

なんとなく思い出したので
という理由で、想い出話を少々。

Pクリニック「思春期科」にエントリーしたのは
このあたりが「弾く人になろう」と思った頃かな?と
今さらながら(いやほんとうにいまさらだわ!)
ふとそう思ったので「思春期の記憶の記録」として。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「私、うっかり特急に乗っちゃったらしいのよ。。。」
と、申し訳なさそうに先生がおっしゃった。

そうおっしゃったことに驚いて思わず立ち上がって
楽譜をばらばらと落とした(いつだってドジ!)
ということは覚えている。

まぶしいほどの夕焼けの中
音楽大学という場所にしては驚くほど静かだった。
気がつけば7時近かったのかもしれない。
待ち始めたのはいつからだったろう。。
なにしろ遠い遠い昔のことだし。。(爆)

ともあれ
「午後のレッスン」
という予定だったことはたしかだけれど。

私としては、待つのは当然。。。と思ったけれど
いらっしゃらなくても、それも当然。。とも思っていた。
私にとって、先生はそれほどの方だったから。
そして私はその程度の生徒だと思っていたから。
それは思い込みで、私の「程度」はともかくとして
先生はそんな方ではなかったというのに。

そして、「乗る電車が違った」ということに
別な意味で本気で驚いた。
まさか「それほどの先生」があのお年で(80歳越え)
運転手付きの車でもタクシーでもなく
おひとりで電車移動されているとは思わなかったから。

そして玄関前の外階段に座り込んで待っていた私に
「ごめんなさいね」
とおっしゃった。

え?え?・・
と思うきり、言葉も出なかった。

「小田原までいっちゃったわ。。。」

・・・そんな遠いところから
わざわざもどってくださったのか。
携帯のない時代。
小田急線の電車の本数もあまりなかった記憶が。。。
折り返しの電車を探して右往左往されたのだろう。
先生にしては、すごくめずらしく汗をかかれていた。

涙がぽろぽろこぼれた。

「ごめんなさいね。ずいぶん待たせたわ」

・・・違うんです。違うんです。
その言葉も出なかった。
(今思い出してもほんとに情けない!!)

ただ。夕焼けに浮かび上がった先生のお顔が
ずいぶんときれいだったなぁということと。
暗くなった大学の階段(せまかった・・・)を
先生の手を引いて降りたことと。

先生は二人分(ひとり帰っちゃったのね)2時間を
ほぼ立ちっぱなしで教えてくださった。
(今考えたら、これも驚異的!)

先生と、そしてブラームスの音楽が
ずいぶんと自分に近づいた気がした。。
・・・・あ・・でも・・
これは「気がした」だけ。。。
・・ということに、のちに思い至る(爆)
先生のお立場上、
レッスンはいつもほかの先生方が聴講されることが多くて
一対一ということは、ほんとうにめずらしかった。
だから、うっかりと
「わたしのせんせい♪」と
そう思えたのかもしれないです。

どちらも私などに手が届くわけもない
でもだからこそ
思い切り「あこがれ」を語れる存在として
いつまでもそこにいてくださるのだろう。

ずいぶんと後になって
ちょうどそのころ、
ご主人である「御大」がお倒れになり
ご危篤状態が続いていた時期であったことを
報道などで知ることになる。
そんなこと、思いつきもしなかった自分に驚いた。
本当に自分のことしか考えてなかったなぁと
ますます、申し訳なさで身が縮んだっけ。

でも、先生はいっさいそういうことは
お話されなかった。
ただ、音楽のことだけ。それだけ。

いやはや。。。
私がレッスンを受ける。。というそのことが
かえって先生のストレスになっていたらどうしやう。
当時も思っていたけれど、
今になっても、そう思う(おろおろおろおろ・・)
実際
一年後に急逝された先生のご葬儀の折に
「先生を憤死させたのは誰だぁ?」と
先生のお弟子筋である先生方のサカナにされたし(怖!)
(あ・・私だけでなく当時の生徒一同ね(ぶるぶる))
(もちろん先生方のジョークなのですけれどもね。。)

NEC_1561.jpg

ブラームス 3つの間奏曲。
子守唄の歌詞が書き込まれた
ぼろっぼろの楽譜。
NEC_1562.jpg

ライプチッヒペータース版のくすんだ緑色と
真っ白な先生のお顔にうつった夕焼け色と
せんせいの手のぬくもりと
帰りがけにみあげたお月さんの想い出。。。

色あせない夕焼けの色
色あせない「わたしのせんせい」の記憶。

そのあと、ほんとうにいろいろあったけど。
「弾く人」だったり「教える人」だったり
がんばって「そういう人」でありたいものと
あたふたと踏ん張っているちっぽけな私を
どこかで、そっとささえていくれている。

これは、そんな大切な想い出なのでした。

なぜ、今日思い出したのかな。と
ちょっぴり不思議に思いつつ。
(ブラームスの予定はなかったのにね)
記憶の記録として書いておこうと思いました。

ー6月末のサロンにむけての最終準備の頃に記すー

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めぐりあい

良い先生い巡り合うというのは、なんでしょう、奇跡の様な気がしますね。
その時その時間に二人がそこにいなかったら、合わなかったのですもの、そして先生の素晴らしさにも人間臭さにも触れることが出来なかったでしょうね。先生をより身近に感じることがなかったかもしれませんね。
素敵な経験をなさいましたね。いつも尊敬できる人を持っていることは素晴らしいことです。

Re: めぐりあい

> 良い先生い巡り合うというのは、なんでしょう、奇跡の様な気がしますね。

ほんとうに。
私にとっては、その先生に教えていただける立場になれたことそのものが奇跡!でした。

> その時その時間に二人がそこにいなかったら、合わなかったのですもの、そして先生の素晴らしさにも人間臭さにも触れることが出来なかったでしょうね。先生をより身近に感じることがなかったかもしれませんね。

ほんとうに。
勝手なあこがれと思いこみで、必要以上にたてまつってしまったのは私。
先生はきっとずっとお変わりなく、いらしたのだと思います。

> 素敵な経験をなさいましたね。いつも尊敬できる人を持っていることは素晴らしいことです。

ありがとうございます。
私にとっては、最初から「あまつかた」の先生でしたが
今や、ほんとうに「あまつかた」にいらして、
どこやらから、ごらんになっては苦笑されているのではと(滝汗)
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プロフィール

音夢鈴ーねむりんー

Author:音夢鈴ーねむりんー
ねむりんチャンネルへようこそ!
なりわい:鍵盤屋
     (ぴあにすと)
生息場所:音の棲む場所 
     
基本クラシック奏者。
時として企画者。
あるときは脚本書き
たまにさすらいの吟遊詩人
気がつけば
てあそびナビゲーター?!
しかしてその実態は!!!!
・・・銀猫同居人である。

画像は御友達描くところの
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皆さまどうぞよろしゅう(ぺこり)

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